• 2024.9.28
  • NEWS

二本松の提灯祭り、360年の歴史をたどりませんか

 にほんまつ城報館1階の二本松歴史館で特別企画展「ことしで360年!二本松の提灯祭り」が28日始まり、提灯祭りのルーツや道具、お囃子などを掘り下げて紹介しています。11月24日まで。

歴史を物語る提灯祭りの太鼓台の部材

 初代二本松藩主丹羽光重が熊野神社と八幡神社を総鎮守として現在の二本松神社の場所に遷宮、1664(寛文4)年8月15日に当時、御両社といわれた神社の祭礼を本町、亀谷の人々が行ったのが発祥とされています。1791(寛政3)年には郭内を除く6町内が太鼓台で囃子を奏で、歌舞伎人形を飾ったという記録もあり、若連が着用する麻素材の祭り袢纏(ばんてん)から旧暦8月の祭りだったことが分かります。郭内は1962(昭和37)年に加わって7町内となりました。また、昭和40年代初頭までは太鼓台に加え、人形を飾った趣向を凝らした山車も練り歩きました。

 会場には、1899(明治32)年に亀谷から舘野へ払い下げ、盆踊りの櫓に使われた太鼓台(江戸後期)の「破風」などを展示しています。太鼓台の〝顔〟ともいえる破風は亀と龍がそれぞれ彫られ、なお色彩が残る鮮やかなもの。車輪は激しい動きに耐えられるよう部材を組み合わせていることが確認できます。さらに1924(大正13)年の祭りのビデオを放映しているほか、同年の松岡の山車「大黒様とネズミ」の一部を使った絵馬を展示。松岡若連の設立を記念して八坂神社に奉納されたそうです。

 祭りに欠かせないお囃子のレコード、CDもあり、だれもが心躍る企画展となっています。午前9時~午後5時。入場無料(常設展は有料)。問い合わせは歴史館(電話0243-22-3220)へ。

提灯祭りのルーツは御両社から始まった
大正13年の祭りを伝えるビデオと松岡若連が奉納した絵馬(下)
色鮮やかに残る江戸後期の「破風」
各町の祭囃子は微妙に異なり、それぞれ受け継がれている
一覧に戻る