• 2022.9.8
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城下町を彩る紅提灯 伝統輝く手づくり品

 ろうそくを灯した紅提灯(ちょうちん)を揺らせて夜の城下町を練り歩く…二本松提灯祭りの代表的なシーンですが、太鼓台1台に約300個ある紅提灯の補充は毎年欠かせません。300年以上の歴史を誇る浅倉提灯店(二本松市本町)では1年掛かりの作業が終盤を迎えています。

完成した紅提灯~ろうそくの灯りに彩られた太鼓台が城下町を練り歩く

 提灯祭りで使われる提灯は6~7種類に上り、特に紅提灯は年間1,000個は作る一大作業。8代目・浅倉祐二さんと妻春子さん、9代目の長男大輔さんがすべて手作業でこなしています。針金に和紙を巻いて骨組みを作り、和紙を貼って提灯の形にし、文字入れ、色染め、防水の油塗り、金具取り付けの工程を経てようやく完成します。球体に描く文字は独特の書体で、祐二さんがより大きく見える技を駆使して丁寧に描いています。

 大輔さんは「提灯祭りに間に合うよう仕上げる大変さはあるが、伝統の技でお祭りを支援していきたい。(店と目と鼻の先で行われる)出発式で提灯が灯されるとホッとする。今秋は特に盛り上がってほしい」と3年ぶり開催に期待を込めています。

最終作業に追われる大輔さん
提灯祭りにちなんだ提灯が並ぶ店内
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